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💻 【学芸大学の眼鏡士の視点】ブルーライトカットは本当に必要?知られざる「本当の効果」の正体
みなさま、こんにちは。東横線沿い、目黒区学芸大学駅の眼鏡専門店、ライブラの田中です。
パソコンやスマートフォンが生活に欠かせない現代において、最も耳にする言葉の一つが「ブルーライト」ではないでしょうか。「ブルーライトカット眼鏡は、本当に目に良い効果があるのですか?」というご質問は、日々、診察室や店頭で後を絶ちません。
実はこのテーマ、現在、眼科医学界で非常に活発な議論が交わされており、情報のアップデートが必要な分野でもあります。今回は、過度な期待や誤解を解き明かし、専門家として「ブルーライトカット」とどう付き合うべきか、その真実を詳しくお話しさせていただきます。
🔍 1. ブルーライトは「視力を守る」ものではない?
まず、医学的な側面から事実をお伝えしなければなりません。
数年前まで、ブルーライトは「網膜にダメージを与える」「視力低下の直接的な原因になる」と広く信じられていました。
しかし、近年、日本眼科学会を含む複数の専門団体から、「デジタル端末のブルーライトが、人間の網膜に障害を与えるという科学的根拠はない」という見解(論文)が発表されています。
太陽光に含まれる強力なブルーライトに比べれば、スマホやパソコンから出る光の量はごくわずかです。
また、小児期にブルーライトを過剰にカットしすぎると、日光に含まれる特定の波長(バイオレットライトなど)まで遮ってしまい、かえって近視の進行を早めるリスクがあるという指摘もなされるようになりました。
「目を病気から守るためにブルーライトカットを掛ける」という考え方は、現在、多くの眼科医の間で否定されつつあるのが現実です。
⚡ 2. それでも「楽になる」のはなぜ?チラツキを抑える物理的メカニズム
では、ブルーライトカット眼鏡を掛けて「目が楽になった」と感じる人々は、単なる思い込みなのでしょうか。いいえ、そこにはしっかりとした光学的な理由があります。
ブルーライト(短波長光)は、波長が短いため空気中の粒子に当たると散乱しやすいという性質を持っています。この光の散乱こそが、私たちが画面を見たときに感じる「眩しさ」や「チラツキ」の正体です。
ブルーライトカットレンズは、この散乱しやすい光を選択的にカット、あるいは反射させることで、視界の「ノイズ」を取り除く役割を果たします。
カメラで言えば、曇ったレンズにフィルターを付けて霞(かすみ)を取るようなものです。医学的に「病気を防ぐ」効果は証明されていなくても、光学的に「光の乱反射によるストレスを減らす」という点においては、一定の効果が期待できるのです。
🎨 3. コントラストを上げる力:文字をクッキリさせる「黄色」の魔法
もう一つの大きなメリットは、「コントラスト(明暗の差)の向上」です。
ブルーライトカットレンズの多くは、少し黄色や茶色がかった色味をしています。これは、青色の補色に近い色をレンズに乗せることで、青色の光を中和しているためです。
青色の光を抑えると、背景(白)と文字(黒)の境界がより明確になり、視界が「クッキリ」とします。
特に現代の液晶画面は、バックライトにLEDを使用しているため、青色成分が強調されています。これをレンズで適切にコントロールすることで、脳が「文字を認識する力」をサポートし、ピントを合わせる筋肉の過度な負担を軽減できる可能性があります。
「ブルーライトカットは眼精疲労に効くか」という問いに対しては、網膜保護の観点ではなく、この「見え方の質を整え、脳を疲れにくくする」という観点から、私たちは肯定的なアドバイスを行っています。
🌙 4. 睡眠の質を左右する:サーカディアンリズムへの影響
最後に、視力とは別の側面、「睡眠」との関わりについても触れておきましょう。
ブルーライトは、脳に「今は昼間だ」と認識させるスイッチのような役割を持っています。夜遅くまでスマホの強いブルーライトを浴び続けると、睡眠を促すホルモン(メラトニン)の分泌が抑制され、自律神経が乱れる原因になります。
夜間に限っては、ブルーライトをカットすることは、目の保護以上に「体内時計(サーカディアンリズム)を整える」という大きな意味を持ちます。
眼鏡士としては、日中の使用よりも、特に就寝数時間前のデジタル作業において、ブルーライトカット機能の付いた眼鏡を活用することをおすすめしています。
🤝 結論:ブルーライトカットは「サプリメント」のような存在
ブルーライトカット眼鏡は、「かければ目が悪くならない」という万能薬ではありません。
しかし、「眩しさやチラツキというノイズを取り除き、視覚のストレスを和らげる」ための、優れたサプリメントのような存在です。
医学界の見解を冷静に受け止めつつ、ご自身の生活環境(長時間のPC作業や、夜間のスマホ利用)に合わせて賢く取り入れるのが、現代における正しい付き合い方と言えるでしょう。
学芸大学の眼鏡専門店ライブラでは、単にカット率の数字を競うのではなく、あなたのお仕事環境や見え方の好みに合わせて、最適なコーティングやレンズカラーをご提案いたします。
情報の波に惑わされず、本当に「目が喜ぶ」視界を一緒に探していきましょう。