眼のこと

老眼て何?

みなさまこんにちは!目黒区学芸大の眼鏡サングラス専門店、ライブラの田中です。

さて、今日は「老眼」についてお話していきたいと思います。

よくお客様に「老眼てなんなの?」と聞かれることがあります。

そしてよくよくお話を聞くと、近視や遠視などと同じ内容で理解されてることが多いようです。

もちろん関連はありますが厳密にいうと少し違います。

 

老眼の構造

ではこの老眼についてすこし紐解いていきましょう。

私が20数年前に眼科務めをしていたころ、先輩スタッフさんに「これみて勉強しろ」ということでいただいた教科書には老眼についてこのように書かれています。


”老視の定義”

中年になって、水晶体の弾力が弱まって近いところを見るときに必要な調節ができなくなった状態


老眼の定義を要約するとこう言うことになるようですが、黄色く塗られた”必要な調節ができなくなった状態”という部分が重要です。

そして必要な調節はどこでするのかというと眼の中にある”水晶体”というレンズ機能です。

 

人間の眼には二つのレンズ機能がありまして、それが角膜と水晶体という部分です。

そしてこの二つのレンズは”凸レンズ”という虫眼鏡のような構造になってます。

眼に入ってきた光線が角膜と水晶体という二つの凸レンズ機能を通過して屈折され、網膜に像を結ぶことで視力が出るようになっているのですが、二つのレンズのうち水晶体という機能はカメラでいうとオートフォーカスのような構造になっていて、見たいものがあるときに瞬時にその厚さを変化させることで、距離に応じた視力を実現させています。

具体的には遠くを見るときはレンズの厚みを薄して見ており、近くを見るときには水晶体を厚くしています。

さらにその教科書にはこうも書いてあります。


”老視の発生”

読書などに適当な距離は25㎝~30㎝と考えられる。調節力は年齢とともに弱まっていく

42歳の人では、調節力はおおよそ3Dであるから正視であればその人の近点距離は”100/3=33㎝”となって距離を離さないと33cmよりも近いところのものがはっきり見えなくなる。これが老視の始まりである。


年齢により弱まっていくのが水晶体の調節ですが、割と重要なのは”正視であれば”のところですね。

よく「近視の人は老眼になりにくいよね?」というお話をいただくことがあるのですが、厳密にいうと老眼にはなってるのですが、近視の人はもともと近くに焦点が合っているので感じにくい、または近視用眼鏡をしっかり遠く(1.2くらい)に合わせると近くが見えずらくなるのですが、弱めに合わせている(1.0~0.9くらい)方も多いため、そういう方は近くに焦点が合っているため老眼初期の40歳代初めから半ばくらいは感じにくく、老眼と感じないことが多いです。

 

年齢による調節力の違い

では年齢別の調節力はどのようになっているのでしょうか。

年齢 調節力 近点

10歳

14D 7㎝

20歳

10D 10㎝

30歳

7D 14㎝

40歳

5D 25㎝

50歳

2.5D 40㎝

60歳

1D 100㎝

70歳

0.5D

200㎝

     
     

10歳刻みで出してみましたが、この数値は時代背景なども影響し多少変動するようです。

図を見ると水晶体の調節力は10歳前後がピークになり、その後は下降していきます。

そして50歳のところをみると”近点40㎝”になっています。近点は近くの焦点が合う距離のことですが、50㎝ということは読書やスマホをするときに30㎝~25㎝にするといわれ、かなり焦点が合わせずらくなると思われます。

70歳になると近点200㎝なので問答無用ですが、先ほどお話ししたように”正視の場合”ですので、近視の要素が加わると少しというかかなり様子が変わってきます。

 

近視による補正要素

みなさまはコンタクトレンズをお使いでしょうか?

もしお使いの方はその蓋部分に記載してある”S-〇.〇〇”という部分に注目してみてください。

 

そしてこの数値を活用して、近視の方の近点距離をある程度算出できます。


例①

コンタクトレンズの蓋の記載が”S-3.00D”となっている方

100÷3(S-3.00Dなら3で計算)=33.3


 

この33.3が近点距離になります。

したがってコンタクトレンズの蓋に記載してある数値が”S-3.00D”なら33㎝が焦点距離になり、遠くは見えていませんが調節力を駆使しなくても33㎝の距離は見えていることになります。

 


例②

コンタクトレンズの蓋の記載が”S-2.00D”となっている方

100÷2(S-2.00Dなら2で計算)=50


コンタクトレンズの蓋に記載してある数値が”S-2.00D”なら50㎝が焦点距離になり、遠くは見えていませんが調節力を駆使しなくても50㎝の距離は見えていることになります。

したがって30㎝くらいの距離を見るにはご自身の調節力1.0Dを使用することで、30㎝の文字が見えるようになります。

もちろん調節力が無い方の場合には50㎝以内は見ることができません。

 

このように近視の眼の方が”老眼になりにくい”というのは誤解で、老眼にはなっているけど、もともと近くに焦点が合っている眼なので感じにくい。

その代わり、遠くにしっかり度数をあわせて補正すると近くが見えずらくなるはず。ということです。

この画像の例ですと-5.50となっていますので

100÷5.5=18

18㎝前後がこのかたの、裸眼の焦点距離になります。

 

以上の例はあくまで通常のコンタクトレンズになります。

※コンタクトレンズは使用される方の生活や眼の状態にあわせて度数を前後させることがありますので、上記の例はあくまで大体の参考としてとらえてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

眼のことは身近な問題として多くの方が悩んでいらっしゃると思います。

今回は老眼についてさらっとお話しさせていただきましたが、気になる点やご質問がありましたら下記連絡先までご遠慮なくお申し付けくださいませ。

店舗TEL03-6303-2330