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✨ 遠近両用眼鏡の真実:メリット・デメリットを知って「快適な視界」を手に入れる

皆さま、こんにちは。学芸大学の眼鏡専門店、ライブラの田中です。眼鏡士として、日々皆さまの「見える」をサポートさせていただいております。

私もそうですが、40代半ばを過ぎた頃から、「手元の文字が見えにくいけれど、眼鏡を掛けたり外したりするのは面倒……」というお悩みが増えてまいります。そんな時、一番の解決策として候補に挙がるのが「遠近両用眼鏡」です。

しかし、「慣れるのが難しいと聞いた」「視界が歪むのでは?」と、不安を感じて一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。今回は、遠近両用眼鏡の仕組みから、メリット・デメリット、そして失敗しないためのコツを、プロの視点で詳しく丁寧に解説いたします。


✨ 遠近両用眼鏡の真実:メリット・デメリットを知って「快適な視界」を手に入れる


🧐 1. 遠近両用眼鏡の仕組み:一枚のレンズに隠された「グラデーション」

まず、遠近両用眼鏡(累進多焦点レンズ)がどのような仕組みになっているのかをご説明します。

昔の遠近両用は、レンズの下の方に「小窓」のような境目があるタイプが主流でした。しかし、現在の主流は「累進レンズ」といって、外見からは普通の眼鏡と全く見分けがつかないタイプです。

レンズの上部には「遠くを見るための度数」、下部には「近くを見るための度数」が配置されており、その間を度数が無段階(グラデーション状)に変化しています。このおかげで、視線を上下に動かすだけで、遠くの景色から手元のスマートフォンまで、眼鏡を掛け替えることなく見ることができるのです。


🌟 2. 最大のメリット:掛け外しのストレスから解放される「自由」

遠近両用眼鏡の最大の魅力は、何といっても**「生活の連続性が断たれないこと」**です。

  • スムーズな視線移動: お買い物中に「棚の商品」と「値札や成分表」を交互に見る、あるいは運転中に「フロントガラス越しの中遠景」と「手元のカーナビ」を見る。こうした動作が、眼鏡を外すことなく一本で完結します。

  • 若々しい印象をキープ: 手元を見るたびに眼鏡を額に乗せたり、鼻の先にずらしたりする動作は、どうしても年齢を感じさせてしまいがちです。遠近両用なら普通の眼鏡と同じスマートな仕草で過ごせます。

  • 紛失・破損のリスク軽減: 「掛けたり外したり」を繰り返すと、どこかに置き忘れたり、無理な力が加わって壊したりするリスクが高まります。常に掛けていられる遠近両用は、実は眼鏡を長持ちさせることにも繋がります。


⚠️ 3. 知っておくべきデメリット:視界の「揺れ・歪み」と「視野の狭さ」

良いことばかりのように思える遠近両用ですが、構造上の限界からくるデメリットも存在します。ここを理解しておくことが、納得のいく眼鏡作りの鍵となります。

  • レンズ周辺部の歪み: 一枚のレンズに異なる度数を詰め込んでいるため、レンズの両端(周辺部)にはどうしても「収差(しゅうさ)」と呼ばれる歪みが生じます。急に横を向いたり、視線を斜めに動かしたりすると、視界が揺れて感じることがあります。

  • 「中間距離」の視野が狭い: 遠近両用は「遠く」と「近く」を重視した設計のため、その中間(パソコンのモニターなど)が見える範囲は、専用の眼鏡に比べると狭くなります。

  • 使いこなしに「コツ」が必要: 視線だけで下を見るのではなく、顎を軽く動かして「度数が合っているポイント」を探すという、遠近両用特有の使い方の慣れが必要です。


🛠️ 4. 失敗しないための秘訣:一級眼鏡士がこだわる「測定とフィッティング」

デメリットを聞いて「私に使いこなせるかしら?」と不安になった方もご安心ください。これらの弱点は、プロの技術で大幅に軽減することができます。

  • 最新の「両面設計」レンズを選ぶ: 近年の技術革新により、歪みを極限まで抑えた高級設計のレンズが登場しています。視野が広く、初めての方でも違和感少なく使い始められます。

  • ライフスタイルに合わせた度数設定: 運転が多いのか、デスクワークが多いのか。一級眼鏡士がお客様の生活を深くヒアリングし、どの距離を一番重視するかで度数の配分を微調整します。

  • 「ミリ単位」のフィッティング: 遠近両用は、レンズの「中心」と「黒目の位置」が1mmズレるだけで、著しく見え心地が悪くなります。鼻パッドの高さ、眼鏡の傾斜角、顔からの距離などを完璧に調整することで、歪みの少ない快適な視界が生まれます。


🤝 最後に:遠近両用は「人生を広げる道具」です

遠近両用眼鏡は、単に「見えるようにする」だけの道具ではありません。お出かけ先での不便をなくし、趣味や仕事をよりアクティブに楽しむためのパートナーです。

確かに、最初は少しの「慣れ」が必要です。しかし、適切なレンズ選びと丁寧なフィッティングがあれば、そのハードルは決して高いものではありません。

学芸大学のライブラでは、お客様がどのようなシーンで一番困っているのかをじっくり伺い、テストレンズで実際の見え方を体験していただきながら、納得の一本を仕立てております。

「そろそろかな?」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。皆さまの毎日が、よりクリアで快適なものになるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。


【次のステップ】

「遠近両用」の他に、室内作業に特化した「中近両用」という選択肢もございます。お客様の環境にどちらが合っているか、比較表を参照しましょう。

📋 どっちが正解?「遠近両用」と「中近両用」の比較チェック