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壊れないメガネはありませんが、壊れにくいメガネならあります
①壊れにくい素材は?
メガネに使われる素材はいくつかに分けられますが、一番大きな分類は ”メタル” と ”プラスチック” です。 他にも最近は ”ウッド” いわゆる「木」ですね。これを使ってるメガネもありますが非常に数が少なく、私自身あまり扱ったことがありませんので、今回は ”メタル” と ”プラスチック” の違いについて述べていきたいと思います。 まずメタルですが、最近のメガネではこれもいくつかに分かれていきます。 代表的な素材は、やはり”チタン”です。 チタンは主に「純チタン」と「合金チタン」に分けることができます。このうち「純チタン」は、不純物を微量しか含んでおらず、その性質などにより「JIS1種」から「JIS4種」までの4種類に分類されます。 一方、「合金チタン」は利用用途に合わせてほかの合金元素を添加したもので、添加する元素の種類によって強度が増すなど性能が変化します。メガネによく使われているチタン合金にβチタンがあります。 そこでチタンの主な特徴を挙げてみたいと思います。軽い
純チタンは、物質の重さを表す基準である比重の数値が4.51となっており、その重さは鉄の3/5、銅の1/2程度です。そのため、チタンは金属の中でも特に軽く、そのメリットによる恩恵を数多くの分野に与えています。強い
チタンの強度は鉄の2倍、アルミの3倍にもおよびます。これはチタンにバネ特性があり、しなりやすいためであり、衝撃で割れたり折れたりすることが少ないことから、より高い強度が要求される製品の材料としても採用されることが多いです。錆びにくい
チタンには耐食性が高く、錆びにくいという特徴もあります。中でも海水耐食性は白金(プラチナ)に次ぐ強さを誇り、船舶などの材料としても頻繁に採用されています。 このようにチタンには「軽い」、「強い」、「錆びにくい」という3つのメリットがあり、その性能の高さから多くの分野で重宝されています。 大きくはこの3つの特徴がありますが ”壊れにくい” という事に関していえば、 ”強い” と ”錆びにくい” という特徴は大きなメリットがあると言えます。 私が記憶するところによれば、この業界に入った当初の20年前くらいは、まだまだニッケル合金の方が主流で、チタン製は高価なイメージだったような気がします。 ところが最近ではチタン製も手ごろなお値段で購入でき、日本製のほとんどのメタルフレームメガネはチタン製ではないかと思います。 私も昔の駆出しのころのお話しですが、お客様の要請に応じてメガネの変形を直そうと少し力を入れてみたところ ”モそっ” という感触と同時にメガネが真っ二つになってしまったことを最近の事のように思い出します。 外見上は全く痛みがなく少し曲がっていただけなのですが、折れた個所をよく見てみるとメッキは綺麗なのですが、金属の中の部分だけ腐食していたのです。 丁度すこし仕事ができるようになり、調子に乗り始めた頃だったので、「調子に乗るなよ!」というメッセージだったのかもしれません。(誰からか分かりませんが(笑)) そういった意味でもチタンが普及することで、メガネを直す側のリスクも軽減したのではないかと思います。 ところでチタンはなぜ錆びないかというと、これはチタン材の表面に形成される酸化チタンの皮膜が強固であることにより、特に塩素イオンに対しては優れた耐食性を発揮することが要因であるようです。 ちょっと難しいですが、なにしろ酸素との結びつきが強いためそれ以上酸化しないとの事を昔聞いたことがあります。間違ってたらすいません💦 次に代表的な素材はプラスチックですが、これもいくつかに分けられ、現在は ”アセテート” という素材が主流です。 聞くところによると約90%はこのアセテートなのですが、なぜこれだけ普及しているかというと、まず市場で非常に人気が出たということがあります。 その理由は ”工場で加工しやすい” というところにあるようです。 そして工場での加工がしやすいという事は ”大量に生産できる” ということです。 それまではメガネと言ったらメタルフレームが主でガチガチの堅い印象。みなさまが想像するような真面目であか抜けない印象があったのですが、ここにプラスチックが出てくることでメガネのイメージが一気にカジュアルになります。 お堅いガチガチのメタルフレームのイメージから一気にカジュアルでオシャレな印象を与えることにより、眼が悪くなくてもメガネを掛けたい現象が起き、一種のメガネブームみたいな感じになったと記憶しております。 そしてこの市場の期待に応えるために、安価である程度丈夫で大量に生産できる素材の代表としてアセテート素材が出てきたのだと言えます。 そしてアセテートとよく比較される素材として ”セルロイド” という素材が挙げられます。 これは昔から玩具や櫛などいろいろな道具の素材として用いられたようです。 特徴としましては、硬くて強いのですが、可燃性があり熱に弱いという事が挙げられ国によっては使用禁止になっている国もあるようです。 現在では職人系のハンドメイドのフレームで目にすることができます。 そういう経緯から現在のプラスチックの主流はアセテートになってきていると言えます。 つまり、アセテートの出現経緯は軽いとか丈夫という機能性によるワードではなく、ファッション的なワードが先行して市場に出てきたという事が大きな要因だったという事かと思います。 すいません、ホントは今回で終わるはずでしたが、長くなりそうですので次回に続きます・・・ LIVRA creators eyewear クリエーターズアイウェアライブラ- 〒152-0003 東京都 目黒区碑文谷6丁目1-23
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